帰雲城への想い

 

 作者はどういうタイミングで帰雲城と出会いHPまで作るようになってしまったのか? また帰雲城という現在は遺構も痕跡も残さない幻の城にどうして興味を持ったのか?などを綴っています。

 

 

 白川郷でのフォーラムに参加

白川郷文化フォーラムの案内
白川郷文化フォーラムの案内

 

 作者と帰雲城との出会いは平成11年の秋・・・新聞の飛騨版にて一つの記事を見つけたことに始まります。 それは毎年テーマを決めて白川村で行われていた白川郷文化フォーラムが「内ヶ島氏と中世白川郷」と題してフォーラムを開催するというもの。。。

 

 当時、お城めぐりを趣味としていた作者にとっては帰雲城とは得体のしれない謎の城だということは知っていましたが、当時の知識としては地震で無くなった城・・・くらいのことしか知らず。

 

 しかし、そんな日本で唯一、地震で落城したお城が作者の住む飛騨地方にあると知って興味を持たずにはいられず、フォーラムに参加してぜひ、話を聞いてみたいと思い小さな新聞記事に載っていた連絡先に速攻で電話して案内を送っていただいたのです。 その案内が上の写真で10年以上たった今も大切に保管しています。

 

 白川郷にはこれまで何度か観光で訪れてはいましたけど観光と言えばやっぱり合掌集落で帰雲城なんて全然・・・・聞いたこともなかった。 そんな中、11/20、白川郷文化フォーラム「内ヶ島氏と中世白川郷」が行われる白川郷鳩ケ谷コミュニティー会館へ早朝出かけたのです。

 

 当日は9時スタートでしたが何のことはない7時半頃着いてしまい誰もいない駐車場に車を止めて・・・と思ったら一人だけ先客がいました。 今思えば、その先客が現在、作者と一緒に帰雲城や内ヶ嶋氏について研究しているN氏その人だったと思います。 会場への一番乗りと二番乗りの二人が揃って今は仲間として活動しているというのも何か縁を感じます。

 

 

 交流レセプションにも参加

 

   当時の写真は無くなってしまいましたが夕方までのフォーラムが終了した後、交流レセプションがあって折角のことなので一応、事前に参加を申し込んでおいたのですが、どんな交流があるのかも知らないし周りに知り合いもいないし、つまらなかったらどうしましょ? と不安も覚えつつ交流会が始まったわけですが・・・始まる前までの不安などはあっという間に吹き飛びました。 本音を言えば、フォーラム以上に楽しいレセプションであったことだけはご報告申し上げたいと思います。(^^ゞ

 

 交流会での食事は立食の鍋ものだったんですが、主催者曰く・・・鍋に入っている肉が何の動物の肉なのか?当ててみてくださいというわけです。 まあ、こうしてクイズにするくらいなので牛や豚や鳥でないことだけは確かで考えられるのは猪、鹿、蝶、、、ではなくて熊?辺りかと思いきや、実際にはナント! 兎のお肉でございました。

 

 食べてみましたが鍋だったせいか? とくに臭みもなく普通に美味しく食べられました。 食事をしながらこの日のために準備と稽古をしてきたんでしょう。地元白川中学校の生徒さんたちが伝統芸能を披露してくれました。 大したお客でもないのに、よくぞここまでもてなして下さいましてホント、ありがたかったです。 この時、踊ってくれていた中学生の皆さんも今では12年経ってますから、もう25〜6歳の立派な社会人でしょう。

 

 楽しかったレセプションも終わって今回のフォーラムの日程全てが終わって、さて帰ろうとした時、ある人から呼び止められました。

 

 

 

 埋没帰雲城調査会への参加

 

 もう12年も前の事なのではっきりとは覚えていませんが、あの時、声をかけてくれた人は多分、帰雲城調査会のTさんだったと思います。 当時、まさか帰雲城を探すための組織が存在することすら知らなかったので作者は一瞬、これって怪しい団体? と思ったもんです。(^^ゞ どうやら予めこの日に調査会の会合が開かれる予定になっていたようで、遅くまでフォーラムに参加していた作者も含めて数名が声をかけられて調査会の会合に飛び入りで参加という事になったというのが真相みたいです。

 

 ここでいきなり、「あなたは帰雲城がどこにあったと思いますか?」と聞かれましたが、あの時のことは今でも鮮明に覚えていて「帰雲山(崩落跡のある)があるのだから普通に帰雲山の中腹だと思います。」って答えたんですよ。 帰雲城のことがよく分かっていない一般人ならおおよそ、作者と同じように答えたんじゃないでしょうかね? とまあ、2時間くらいですかね、の会合の中で記憶に残っているのは上記の質問と回答だけで強いていうなら最後に帰雲城調査会に入会しませんか?ときたもんだ。。。

 

 当然この流れになるのかな?って思ったけど正直、即答できるほど自分の考えがまとまってなくて少々悩んだんだけど結局、その場で入会してめでたく一回目の埋没帰雲城調査会の会員になりました。

 

 帰雲城へのスタンス

 

 作者が帰雲城や内ヶ嶋氏とどう関わっていくのか? 例えば作者も所属する白川郷埋没帰雲城調査会は現地(保木脇)にて測量をし最終的にはここだ!と思われる場所を重機で掘り進めることで帰雲城の遺構を発見するのが目的ですが作者個人としてはそれ以上に歴史という側面を大切にしたいと思っています。 

 

 具体的にはただ地面を掘って帰雲城の痕跡が見つかった見つからないよりも戦国時代という歴史の一区画において帰雲城はどのようにして築かれたのか? 内ヶ嶋という一族がどうやってこの白川郷にやってきたのか? 内ヶ嶋氏が築いたのは決して帰雲城だけではなく知られていない城や砦が白川郷以外にもあり、また内ヶ嶋一族にも数奇な運命がありながらも謎の部分が多くて研究素材としてはどちらも一級品です。

 

 できるなら現地を掘らずとも文献や絵図などの史料を解析しながら状況証拠を少しづつ積み重ねて帰雲城のあった場所が特定したい? と考えています。やはり歴史は面白い・・・教科書に書かれているような歴史は正直、面白くなかったけど一つのことを掘り進めていくと色んな疑問が湧いてきてそれらの疑問を一つ一つ解決していくことで絡まった糸が少しづつほどけていくのが楽しいのと一つの疑問を解決するために足を使って文献を探したり仲間と議論しながら解決に近づいていく、そんな中で皆でお城を見たり図書館などを利用しながら、、、も面白いものです。